便益の束

フィリップ・コトラー(Phillip.otler)が提唱した概念。

顧客からのニーズを、商品やサービスそのものだけで捉えるのではなく、その商品やサービスがもたらす価値も踏まえて総括的に捉えていこうとするもの。

『便益の束』の考えを表す代表的な言葉としては、福原義春 資生堂名誉会長の「お客さまは商品を買うのではなく、"きれいになること"を買う」がある。

つまり、顧客が車を買いたいと思っているのであれば、それは車を求めているのではなく、家から目的地までの移動を求めていると捉えることである。

このように、商品・サービスを『便益の束』で捉えていくと、ヒーターを買うことは「調整可能な暖かさ」を買うことであり、携帯電話を買うことは「場所を制限されないコミュニケーション」を買うことになるのである。

商品・サービスを、機能ではなく価値から捉えていくこの概念は、「ニーズ志向」の応用例の1つであるとも言える。