プロブレムソルバー

マーケティングでデザインの役割を考える際、重要なのは単にかっこよさを追求するだけでは不十分であるのは言うまでもない。

生産、技術、コスト、市場調査などデザイナーの前にはあらゆる問題が積み上げられている。

これらのことを解決に導かなくてはならないデザイナーはアメリカでは「プロブレムソルバー」といわれている。

日本に製品デザインという考え方が取り入れられたのは、戦後からといわれている。戦後の日本は繊維産業が主流で、デザインといっても生地の図案を考察するだけでしかなかった。

ほかに台頭していたのは軍需産業で、ここでも製品デザインは不要であった。

しかし、戦争が終わり生活のなかで使うものを作らなければならなくなったとき、デザインが必要になったのである。松下電器の創業者である松下幸之助が1951年にアメリカを視察した際に、性能が同じラジオがデザインの違いで価格に差があるのに気づき、松下電器において「製品意匠課」がつくられた。これが、日本初の企業のデザイン部門とされている