新製品を市場化するにあたって、2つの価格設定戦略があるとされている。
その1つが、上層吸収価格設定戦略である。
これは、新製品の市場導入に際して、最初から販売価格を高く設定し、それでも喜んで購入しようとする人々から最大の利益を獲得しようとする戦略である。
ポラロイドは、同社のオリジナルのインスタントのカメラは顧客が他社製品よりも高いベネフィットを求めて購入するだろうという前提のもとに、最も高い価格を設定した。つまり、同社は高いベネフィットを有する製品であれば、どんなに高価であっても購入をいとわない市場セグメントに向けて価格を設定したのである。
そしてこの価格による販売が停滞してくると、価格を引き下げることによって価格弾力性の高い顧客を取り込むことに成功した。
高価格なだけに品質やイメージ、生産コスト、他社が迅速に安い価格で追随してこないことなどが条件になってくる価格設定戦略である。