マーケット・ニッチャー

ニッチには才能、力量に適した所という意味がある。マーケット・ニッチャーには、おのれの分を心得て、自分に最も適している領域についてのみ全力を尽くし、大それたことは考えないという志向のことをいう。

つまり、ニッチャーとは、自社の特性を十二分に活かせ、しかも大手企業と競合しない小規模市場を見出し、そこへ注力することで存続、発展していこうとする中小企業をさすことが多い。

練り歯磨き市場では、トップのライオンをはじめ、サンスター、花王など有名企業の競争が激しい。そこへ、サンギという知名度の低い企業が美白効果という隙間を狙って「アパガードM」を投入し、短期間で一定の市場を確保したのである。他社も美白に追随したが、十年の開発期間を経た「アパガードM」と後発品の間には歴然とした差があり、今日では練り歯磨き市場の50%~60%のシェアを占めて独走している。

ニッチ・マーケティングの典型的な成功例といえるだろう。