直訳すれば心の財布。顧客は、持っているお金を「生活費」「特別費」などに分類する。昼食時の100円や缶ジュースは節約するが、家族・恋人と行くディズニーランドでは、500円のコーヒーに躊躇しない。同じお金でも、「心の財布」のどの予算に分類されるかによって価値が違う。企業でも同じことが起きる。原材料費の1千万円は厳しく管理しても広告費の1億円は簡単に使うことがある。利益を生まない不良在庫の1億円には寛容でも、将来売上を伸ばすヒントとなる3千万円のコンサルティングには厳格な査定をする、などの不合理なことが度々起きる。