ミステリーショッパーマーケティング

ミステリーショッパーとは店舗や施設に知らせることなく、実際の顧客となって調査員がサービスを体験し、店舗の実情を把握して課題を明らかにする調査方法のことである。小売店やサービス業で多く用いられており、企業の消費者対応窓口、交通機関など様々な領域にも広がっている。

ミステリーショッパーの調査手法にはモニター型、コンサルタント型、個人型、直接依頼型、プロ調査員型があり、著者が経営する有限会社ポータルコムはプロ調査員型にあたるという。本書には細かな調査ポイントや評価シートも掲載、紹介されていたが、基本的な考え方は「答えはお客様の中にある」ということであった。

ミステリーショッパーマーケティングは“お客様に歩み寄ること”であり“お客様を集めること”とは違うとのこと。従来はいかにお客様を集めるのかに主眼が置かれていた。しかし、毎回毎回同じテクニックを投入してお客様を呼んでくるのは現実的に不可能である。このような状況の中で、お客様とのコミュニケーションを改善していくことがとても有効であるというミステリーショッパーマーケティングの考え方は今後さらに現場の人たちに浸透し、有効性も理解されてくるだろうと感じた。