ABC分析とは、大量にある商品を「売れ筋」「見せ筋」「死に筋」に分類するための手法。
全アイテムの3割弱で売上構成比70%を占める売れ筋商品を拡大し、
売上構成比で10%に満たない死に筋は終売にしていくという施策のための分析方法である。
今回は、このセオリーを覆し成長を遂げた100円ショップのダイソーを挙げたい。
ダイソーの品揃えの特徴は、売れ筋に頼らないことにある。売れ筋であるかどうかは売る側の見方。死に筋を開発してこそ、多様な顧客に指示されるとの考えだ。
端的な例が介護用品への進出である。一般に、介護用品は小さな商品であっても300~400円と割高感があるが、ダイソーでは100円である。介護用品につきまとう特殊なイメージから許されてきた割高価格を突破しようと考えているのだ。
ダイソーの顧客の中心が若年層であるにも関わらず、介護用品が必要な顧客もいるからという
方向性だ。その人たちにたとえ死に筋でも変わらない価格で商品を提供していこうという姿勢がダイソーの利便性を生んでいる。