これは、新製品の発売にあたって、価格を思い切って安くし、市場に迅速に浸透しようとする戦略である。
つまり、多数の顧客を素早く引きつけ、短期間のうちに大きな市場シェアを確保することを確保することを意図したものである。その結果売上が増大すれば単位あたりの生産コストは低下し、売価をさらに引き下げることができる。
テキサス・インスツルメンツ(TI)は、大規模な工場を建設し、大量生産による規模のメリットを生かすことによって、できるだけ低い価格を設定した。その結果、大きな市場シェアを獲得し、そのことによってさらにコストの引き下げが可能になり、それを売価の引き下げに反映させていった。
デルコンピュータとゲートウェイは、低コストの通信販売チャネルを利用して、高品質のパーソナル・コンピュータを低価格で販売した。そして、IBM、コンパック、アップルなど比較的流通コストがかさむ小売店ルートを採用している競合他社が価格で対応できなくなったとき、急速に売上を伸ばした。
ウォルマート、ホームデポなども、安売りで大量の顧客を吸収し、結果としてコストも下がり低価格販売を維持している良い事例である。