集中的マーケティングとは、大規模市場において小さなシェアを獲得するかわりに1つまたは少数のサブ・セグメントで大きなシェアを得ようとするもので、経営資源に限りがある企業に適したやりかたである。例えば、スズキは小型自動車、オタフクソースはたこ焼きのセグメントに集中している。
企業は集中的マーケティングを採用することによって、当該セグメントのニーズを最もよく知ることができ、また特別の評価や高いポジショニングを獲得することができる。
さらに生産、物流、プロモーションなどについて専門化を行い、経済性を高めることができる。
したがって、セグメントの選択が適切であれば、高い投資利益率を実現することが可能である。
しかし、同時に集中的マーケティングは高いリスクを負担することになる。特定の市場セグメントは悪化することもあり、あるいは自社よりも大規模な競合他社が同じセグメントに参入してくるかもしれない。よって、多くの企業はいくつかのセグメントに事業を分散するようにしているのである。