シーズ(seeds=種)とは、マーケティングの世界では製品アイデアや開発技術を意味する言葉として使われる。シーズ志向とは、「はじめに製品ありき」の考え方を表すもの。大量生産・大量販売が主流であった高度成長期において中心的な考え方であった。当然ながら、製品はマーケティングを行う上で考慮すべき重要な要素である。
しかし、シーズ志向の企業は「送り手側の論理」が中心になりがちで、
1.技術レベルは高いが、使い勝手が悪く、一部のマニアにしか支持されない。
2.「良いものさえ作れば売れる」という思いが強いせいか、販売後のアフターサービスが乏しい。
3.自社の事業領域を狭義に捉え、必要最低限のサービスしか提供しない。
などのコミュニケーションギャップが起きるのである。現在のように商品が簡単に売れない時代では、「受け手(顧客)側の論理=ニーズ志向」を中心にした活動でなければ、顧客からの支持は得られない。これこそがコミュニケーションマーケティングが世の中から必要とされてきた背景であろう。企業が受けて側の意見を聞きたがっている根拠として、2月3月のグループインタビューの数が挙げられると思う。