会社が見込客の心の中に1つの言葉を植えつける方法を見つけることができれば、信じがたいほどの成功を収めることが可能である。複雑でも独自な言葉でもある必要はなく、簡単な言葉がベストということである。これが集中の法則である。
フェデラルエクスプレス社は見込客の心の中に、「翌日配送」という言葉を植えつけることに成功した。これは、自社の商品ラインを犠牲にして、一晩で荷物を配送するというサービスに焦点を絞り込んだからである。
さらに抜け目のない1番手企業は、一歩踏み込んで、その地位を固めようとする。
食品会社のハインツは「ケチャップ」という言葉を消費者の心のなかに植えつけている。
だが同社はこれに満足せずに、ケチャップの最も大事な属性を浮き彫りにすることにした。
「どろりとしたケチャップ」というのが、同社がケチャップの濃さを他に先駆けて歌い上げた言葉である。「どろりとした」という言葉を植えつけることによってハインツは50%のシェアを維持しているのである。
見込み客の心の中にだた1つの言葉を植えつけることは、これまでに効果をもたらすことなのである。